パーキンソン症状の処方箋

 パーキンソン病は司令塔である脳に主な原因がありますが、体の動きは司令塔のみで決まるのではありません。症状ゆえにどうしても運動量が減ってしまい、下肢の筋力が低下したり、関節が硬くなってしまうことも更に活動性を低下する原因になります。司令塔である脳をいくら薬で賦活しても、末梢の実戦部隊である筋肉や関節が弱小では、片手落ちですよね。実際、筋力低下が強い状態では、薬は有効に作用しないのです。筋肉もしっかりと鍛えて筋力が落ちないように心がけておくことはとても大切です。

 

 体を動かすことは、関節や筋力のみではなく、司令塔である脳にもよい影響を与えてくれるようです。リハビリによって中脳黒質と大脳基底核・線条体などの神経伝達回路を修復されることが期待できます。神経内科医として25年以上パーキンソン病の方をたくさん診ておられる中坂義邦先生(新横浜フォレストクリニック)も、症状の進行が著しく早いタイプの方を除いては、外出してよく歩いている方の方が、進行が抑えられていると指摘されていたのが印象的でした。運動することで自然な形でドパミンが出るので、薬を増やすより運動の方がよほど脳によいと言うのです。

 

パーキンソン症状の処方せん

 

 パーキンソン病の方は、元々真面目な性格の方が多いのでインドアなイメージがあります。しかしインテリジェンスが高く頭がよい方が多いので、理論としてしっかり説明されると真面目に取り組まれることが多いです。生活リズムの一部として「歩く」を取り入れられれば、副作用のない最高の処方になるかもしれません。

 

 介護保険のサービスとしてリハビリテーションを取り入れることも、ぜひ前向きに検討してみましょう。個別の体の状態に合わせて指導をしてもらいたい、生活の中で体を動かしやすくなるような生活動線、家具の配置の見直しなどについても相談したいという場合には、自宅に理学療法士(PT)などのリハビリ専門のスタッフに来てもらう、訪問リハビリを検討されることをお勧めします。

 

 副作用のない薬は、存在しません。ご自分や家族が多少大変であっても、薬以外にやれるあらゆることをやる!これが薬の副作用を回避する一番の方法です。