診断記事一覧

 家族が認知症かも…となって医療機関を受診しようと思い立った時に思うこと。認知症って、何科にかかればいいの?回答:もの忘れ外来などがあればそちらへ。   コウノメソッド実践医もお勧めします。一般的に認知症で思い浮かぶ受診先といえば… 私が認知症セミナーなどで参加者の方に挙手をお願いすると、それなりに分散して手があがります。認知症というのは一つの病名ではない 認知症は4つのタイプ(アルツハイマー,レ...

 大切な家族が「認知症かもしれない」と疑った時、あなたはどう行動しますか?「大病院で徹底的に検査してもらって、‘専門医’に薬を出してもらえば安心!」というあなた。そんな家族思いなあなたはとっても…危険です!!【認知症診療の不都合な真実】 実は、認知症の治療の歴史は、多くの方がイメージするほど長くありません。癌や感染症などの内科の病気が西洋医学の歴史として100年ほどであるのに比べて認知症の治療の歴...

  私の外来には、連日のようにもの忘れが心配という方が来られます。「認知症かもしれないから、先生に診てもらえって息子に言われて…。」 認知症かそうでないかの判断はどのようにされるか、知っていますか?実習に来ている5年生の学生さんに聞いてみたら、期待どおり「CTですかね。」と答えてくれました。期待どおりの不正解です。正解は、家族の話と、改定長谷川式認知症スケール(HDS-R) という記憶のテストです...

 認知症の診断は、CTではなく主に家族の話や長谷川式で行います。長谷川式は参考にするけれど点数が高いこともある、家族の話は大切だけれど、家族のキャラクターによって受け止め方が違うこともあります。認知症の診断でそんないいかげんなの?と思いませんか。 その通りです。いいかげんと言うよりも、認知症の臨床診断は、とてもあいまいなものです。 100%の精密さを求めれば、認知症の確定診断は脳の細胞を顕微鏡で観...

 認知症を疑った場合、早い段階で血液検査をしておくことをお勧めします。目的は2つ。1)Treatable dementia(治る認知症)の除外 認知症は脳の神経細胞に原因があることが圧倒的に多いですが、中には内科的な理由で類似した症状が出ることがあります。具体的には、甲状腺機能低下症、ビタミンB1欠乏, ビタミンB12欠乏などが挙げられます。 これらは認知症全体から見れば割合は低いとは言え、Tre...

 あなたが認知症全般を勉強しようと思っているのではなくても、「認知症の代表的な4タイプ」を知っておくことは、必ず役に立つと思います。なぜなら・既についている病名が違っているかもしれないから。・他のタイプと比較して、自分の立ち位置が把握しやすいから。●今の診断名が違っているかもしれないから 実はこれ、残念ながら日常茶飯事です。 当院では、もの忘れ外来で話を聞く際に、以前の医療機関では何と診断されてい...

 認知症の代表的な4タイプとは、・アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭型変性症(ピック病・意味性認知症・進行性非流暢性失語)・脳血管型認知症の4タイプがあります。 それぞれのタイプの詳細は各項で読んでいただくとして、今回はざっと駆け足で確認します。大まかなイメージが浮かべばOKです。●アルツハイマー型見た目はいたって普通で、短時間の会話では気づかれにくい。健脚で自由に歩けるが、道に...

 認知症=アルツハイマー型と思っている人も多いくらい、有名なタイプです。実は医師のなかでもそう認識している方が多く、他のタイプが平気でアルツハイマーと診断(誤診)されていることも多いのが実態です。 まずは典型例をご紹介しましょう。私の一般外来に来られた78歳の女性です。「近藤さん、今日はどうされましたか?」「こんにちは。血圧の薬がなくなったから来たんですよ。この間来た時は、白土先生の外来がお休みだ...

 レビー小体型認知症の患者さんは、元来生真面目な性格で堅い職業(銀行員・税理士・教師など)についていた方が多いと言われています。そのような真面目な方は人生のパートナーとして真面目な相手を伴侶に選ぶため、生まれてくる子供も真面目になる。これを河野先生は『レビー遺伝子』と名付けています。このような子供は親が認知症になるや、認知症についてものすごい勢いで勉強し、あっと言う間に不勉強な医者を上回る知識を身...

 今回は、レビー障害型認知症に代表的な5つの症状の特徴をお伝えします。パーキンソン症状 脳幹部という部位でドーパミンという成分が欠乏することで、手が震え(振戦)、関節の動きに抵抗が生じます。姿勢は、体全体が前かがみになり、歩行の歩幅が狭くなる‘小刻み歩行’が典型的です。どちらかというと表情に乏しくなり、活気がない雰囲気になることが多いです。進行すると、飲み込みにくい、水や食事をむせるなどの症状が出...

  もの忘れ外来でこの病名をお伝えすると、ほとんどのご家族が「は?」という表情をします。聞き慣れない病名なので当然です 意味性認知症は、文字通り「言葉の意味がわからなくなる」=語義失語という症状が特徴的な認知症です。前頭側頭型変性症という認知症の1タイプで、失語は辞書の機能をもつ側頭葉の萎縮によって起こります。 失語をひっかけるのに、「利き手はどちらですか?」という質問をします。日本人の大人で利き...

 大切な家族が、どうも認知症ではないか。そう疑った時、あなたは、どうしますか?できる限りのことをしてあげたいと思いますよね。大学病院のような大きな病院で、専門科の先生に、徹底的に検査をしてもらえば、よりよい治療を受けられる。インテリジェンスが高いご家族ほど、そんな風に思う傾向があります。 でも実は認知症において、最初から「専門的な検査」が必要なケースって、それほど多くはないのが実情です。きちんとし...

 長谷川式認知症スケールというのは、短期記憶を見る代表的な検査ですが、非常に多くの情報をもたらしてくれます。30点満点中20点というのがカットオフポイント(認知症かそうでないかの目安の数値)ですが、数値だけを見て〇とか×と判断するのは、大間違いです。この検査をしながら、答える方の態度も実はタイプ診断の参考になるのです。代表的なタイプ別に、あるあるな行動パターンを見ていきましょう。アルツハイマー型)...

 長谷川式認知症スケールというのは、言葉でのやりとりを通じて見当識(いま自分が置かれている状況を把握する能力)や短期記憶(少し前のことをどのくらい覚えていられるか)を調べるテストです。日常的にどのくらいもの忘れするかを私が一日中近くでじーっと見ている訳にはいかないので、診察室で決まった質問を行い、点数をつけるのです。30点満点で、20点以下だと認知症の疑いが強い(カットオフポイント)と言われていま...

 脳血管型認知症は、脳梗塞や脳出血という血管イベント(つまったり破れたり)の後遺症として脳の働きが落ちてしまうタイプです。定義としては、イベントが起きてから半年以内の発症とされています。 師匠の河野先生は、脳血管型認知症を「神経連絡不全型」と評しています。梗塞や出血で脳がダメージを受けることで、情報の伝達に時間がかかり、結果として「長考」となります。いつも外来でお話しする脳梗塞後のSさんとの会話。...

突然ですが、脳の前頭葉がどのような働きをしているか知っていますか?‘理性の座’と表現される通り、本能的な欲求を抑え理性的な振る舞いなどに関与していると言われています。あなたもこの前頭葉の働きが悪くなる状況はあります。 お酒を飲んだ時です。 アルコール摂取の影響で、衝動性にブレーキがかからなくなってしまう。だから酔っ払いは、周囲を顧みず大声で歌を歌ったり、他人に絡んで喧嘩をしたり、裸で床に寝てしまっ...

 LPCとは河野先生の造語でレビーピックコンプレックス(レビー・ピック複合)のこと。 コウノメソッドでは、レビー小体型の特徴をレビースコア、ピック病(前頭側頭型変性症)の特徴をピックスコアというスコア表でチェックして診断します。ただ中には、一見全く異なるように見える2タイプの両方が高得点になり「あれ?」と思うグループの方がいて、これをLPC(レビー・ピック複合)と名づけたのです。このLPCは、少な...

 もの忘れ外来の初回には、必ず30-40分くらい時間をかけます。そのせいで常に2か月待ちとなってしまい心苦しいのですが、一応私なりの理由があります。一つは抜けがないように決まった流れで診察を行うため。そしてもう一つは、この外来は診療のみならず‘告知’の場でもあるので、患者さんと家族の心にも配慮したいためです。 目の前の患者さんは、医者からすれば毎日沢山見ている患者の一人で、「認知症なんだから、そり...