大脳皮質基底核変性症(CBS)を疑う時

●CBS(大脳皮質基底核変性症)とは

 

 認知機能低下と歩行障害が出てくる神経難病の一つです。
障害部位)大脳皮質・基底核 次第に大脳全体へ

 

 CBDが生きている間にきちんと診断される確率は、神経内科医ですら50%と言われています。おそらく「認知症にしては手ごわいな…」と思われながら、特に診断されずに自宅や施設で介護されているケースも数多くあると思われます。パーキンソン病のように動作がゆっくりで筋肉が緊張している症状があるにも関わらず、抗パーキンソン薬で効果が改善しない…という経過があれば、下のような症状がないか確認をしてみて下さい。

 

●症状の特徴
・認知機能低下
 大声を出したり、何かを触ってガチャガチャにしてしまう、何かをずっと触っているなどの陽性症状(大脳のエネルギーが増して起きる症状)が目立つことが多いです。

 

・片方の手や腕の動きが悪くなる
 左右どちらかの脳に偏ってダメージを受けることが特徴で、その結果左右どちらかの手の動きが悪くなることが発症の早い段階から見られます。(他人の手兆候) 片方の足をひきずって歩くこともあります。脳梗塞(脳の血管がつまって栄養されている領域の神経症状が出る)の麻痺とは異なり、脳の指令がうまく伝わらないことが原因なので、症状に変動があるのが特徴です。
(麻痺ではなく、歩行失行)

 

どういう時にCBSを疑う?
 手の不使用について、後から家族に尋ねても、
「言われてみればいつの間にか、利き手でない方でフォークをつかんでいました。」
など発症時期ははっきりしません。不使用の期間が長くなり、肘などが拘縮してから初めて気がつかれることもありました。認知症症状がそれなりに激しい方が多いので、家族もそちらでいっぱいいっぱいになり、それ以外の細かいことに気が回らないのかもしれません。

 

・視空間失認
 目から入ってきた情報をうまく認識できず、左右どちらかが見えていないという症状が出ることがあります。(半側空間無視)介護施設の職員さんが、右半分の食事だけ残している…と気づいて外来で教えてくれて判明したこともありました。
どういう時にCBSを疑う?

 

  画像診断なしでPSPとCBSを厳密に区別することは、難しいです。実際に亡くなった後に病理解剖でも、両者は混在していることがしばしばあるようです。1番大切な「薬の副作用で本人の状態を悪くしない」という目的からすれば、両者は厳密に区別する必要がないとも考えられます。「だいたいこの辺りの病気」という認識で、現場では困らないように思うのですが。