LPCって何?

 LPCとは河野先生の造語でレビーピックコンプレックス(レビー・ピック複合)のこと。

 

 コウノメソッドでは、レビー小体型の特徴をレビースコア、ピック病(前頭側頭型変性症)の特徴をピックスコアというスコア表でチェックして診断します。ただ中には、一見全く異なるように見える2タイプの両方が高得点になり「あれ?」と思うグループの方がいて、これをLPC(レビー・ピック複合)と名づけたのです。このLPCは、少なからずいると言われています。

 

LPCって何?
当院では…2%でした。

 

これらのスコア表でLPCにあてはまる方の中には、神経難病と言われるCBS(大脳皮質基底核変性症)PSP(進行性核上性麻痺)MSA(脊髄小脳変性症)が含まれることがわかっています。

 

●レビー・ピック複合タイプの治療の難しさ
 このLPCタイプ、診断がついたから「あ〜よかった」とはならず、治療にはに難渋することが多いです。

 

難しいポイント1)エネルギーの陽と陰が入り混じるため

 コウノメソッドでは、キャラクター分類・キャラクター処方と言って、患者さんの脳内のエネルギーレベルに対応して治療の方向性を決めます。つまり陽証(エネルギーが増して強くなっていること)で怒っていたり興奮していたり眠れない場合には、エネルギーを鎮める抑制薬を選択し、逆に陰証(エネルギーが減弱していること)で眠りがちだったり意欲が落ちていればエネルギーを足す興奮性の薬を足すという具合です。
 しかしLPCは、レビーとピックの両スコアが高得点になるタイプ。一般的にレビーは傾眠などの陰性に傾き、ピックでは興奮・大声などの陽性に傾きます。これらが入り混じると…ウツラウツラ寝ていたかと思うと、パッと目が覚めると大声で怒鳴る、という状況になります。治療をする方としても、エネルギーを足せばいいのか引けばいいのかどうすれば…?と困ってしまう訳です。実際には、両方に振れる可能性があるということを知りながら、目の前のエネルギーの強い方に対応する形で控えめに薬を出すしかないのですが。

 

難しいポイント2)薬剤過敏性があるため

 このLPCに該当する患者さんの中に、CBS(大脳皮質基底核変性症)やPSP(進行性核上性麻痺)などの神経難病の方がいると書きました。CBSやPSPの方は、薬剤に対しての過敏性があることが多いのです。河野先生もリバスタッチパッチ4.5mg(もっとも少ない量)で足が重くなったらCBSやPSPを疑うと書かれています。コウノメソッド実践医にして神経内科が専門の中坂先生は、このグループの方にコリンエステラーゼ阻害タイプの中核症状改善薬(ドネペジル・リバスタッチパッチ・レミニール)は状態を悪化させる可能性があるので使ってはいけないと指導されています。

 

そればかりか、中坂先生は比較的どのタイプにもオールラウンドに使えると言われるフェルガード100Mなどのサプリメントでさえも、ガーデンアンゼリカ(ハーブ)の成分に反応して興奮させてしまうことがあるため、フェルガードF(単独のフェルラ酸でガーデンアンゼリカが含まれていないもの)を勧めています。

 

LPCって何? 
「フェルラ酸 ファースト」

 

 プライマリケア医(町医者)向けの教科書には、「このタイプは開業医の手には負えないので専門医に紹介するように。」と書いて終わりです。それでも専門医に紹介したからって決してハッピーエンドにならないことを経験上知っているので自分のところでがんばろうと精一杯工夫して調整をするのです。それでも残念ながら在宅介護が難しくなり介護施設に移行した方(これは必ずしも本人にとって悪いことばかりではありません)、最終的に精神科病院に紹介せざるを得なかったもいます。